開封する/はるやま
朝 目覚めると、僕の身体の上には一つの箱が置かれていた。
それは薄汚れていて、大きい。降るとカラカラと音を立てた。
「奇怪だ、目覚めたばかりの僕にこんなものが用意されているなんて。
奇怪だ、この部屋には僕しかいないはずなのに」
箱の四辺を指でなぞる。そうすると、不思議なことに箱には暖かみがあり、時折呼吸をしているようだった。
「何だい、お前はまるで生きているようだね」
ベッドから起きあがり、食用棚から牛乳を出す。すると箱は、後ろを“ハコハコ”とついてきた。
「ふうん、やあお前は可愛いね」
僕は牛乳を皿に注いでやる。
「飲むかい?」
箱は“ブルルッ”と震えて、それを拒絶
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