雨の日、わたしは窓のそばで/ホロウ・シカエルボク
ういう犬は一度も見かけなかったとわたしは答えた、彼は少しがっかりして窓から離れていこうとした
「あ、ねえ、今雨は降っているかしらー?」
男の子は一瞬、なんの話なのか解らないといった表情を見せ、それからふと気づいたという感じで降ってない、と言った
「いつのまにやんだんだろう?不思議だね」
そうして彼はどこかへ走っていった
わたしは窓に鍵をかけてカーテンでおおい、薄く切って焼いたパンを、木イチゴのジャムとマーガリンで二枚たいらげた
それからコーヒーを飲んでほんの少しリラックスした
それから寝支度を整えてベッドに入り、少しだけ本を読んですぐに眠った
雨は
降り続いている
夢の中まで
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