山に登りて/蒲生万寿
 
寂しき頂に独り立ち

声を張り上げて叫んでみる

遠くの峰々にこだまし

幾重にも重なり広がり消え入る

我の腹にも同じ広がりを

深き所まで続け消え入る

汚れた雲は遥か足下に見え

風が挑むばかりに吹き付ける

独りこの頂に立ち

何者かにならむ祈りを込め

また、叫ぶ

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