山に登りて/
蒲生万寿
寂しき頂に独り立ち
声を張り上げて叫んでみる
遠くの峰々にこだまし
幾重にも重なり広がり消え入る
我の腹にも同じ広がりを
深き所まで続け消え入る
汚れた雲は遥か足下に見え
風が挑むばかりに吹き付ける
独りこの頂に立ち
何者かにならむ祈りを込め
また、叫ぶ
戻る
編
削
Point
(1)