#6/山口清徳
 
曇天にわかに掻き乱れ崩れ落ちる様まるであざなえる縄のごとし
一度濁ればさりとてそれはまた再び来る世の乱れ
踏絵差し出すその腕切り落とす我が刃、微塵に散り果て
来たれども来たれどもこの道指し示す針に狂いなし
己の価値を信じ狂い咲き乱れ打ち死に物狂い、
留まれど留まれど得るところなき暴動ものの見事に砕け落ちる
敢えてそれを喩うなら根絶皆無
それもまた真を得て対極化された真髄の彼方此方、裏返しのアンチテーゼ
そこはかとなく漂う硫黄臭、死の芳香

生まれ来る絶望に立ち向かう勇敢な騎士よろしく散り行く華の花弁のように
そこかしこに芽生える冬を迎えた降雪、吐く息の重さに身悶え
支えかね
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