午後/番田 
 

世界中を
母親にしない

日本語の 形態に
巻かれていた 中学生の頃
思いこみにできない
鉄板を 抱きしめていた
余裕がした 深夜放送に
飛び込んだものは
アイドルたちだろうと

世界中の バリンバリンと
大陸を 凝視している
代々木公園は 
ランナーで ごったがえしている
春分の日だった
ベイブリッジの 景観が
ラブホテルをなくして
ハナミズキのように 地表に
舞い落ちる 五月

響いてくるジャズ
浮浪者たちの 聖書もない
線路脇に 体同士を
くっつあっている
油色の渦が 微妙な
サイケデリックロックを
演奏していた

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