窓で/番田 
 

母が遠くに
見える 鉄橋のところは
少しゴムの焼けた
匂いが漂う 今日も
友達だろうかと
歩く 公園を流れる
風に 海が
遠くに見えてきた
人もなく 音楽すらなかった
時を 歩いていた

パキリと
木を踏みながら
公園に
菓子売りを 眺めて
過ぎていく 海が
やがて 見えて
父もいた
音楽を止めた

手で 鼻をかんでは
花を踏み 風車が回る
家路を 回り込みながら
車が ビュンビュンと
レースのように 通過する
様子を ぼんやりと
見つめていた


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