蛇たちの休息/吉岡ペペロ
 
そう感じた
ユキオはヨシミのちいさな手が好きだった
なにか考えごとしてるの、
ユキオはカタヤマから送られてきているであろう資料を読みたかった
となりのヨシミに出玉をあげながらあと少し打ってお昼だから出ようかと声をかけた

お昼はうどんにした
わっ、おでん、えっ、やっすう、
小にしとけよ、肉ぶっかけの冷やがうまいぞ、おでんはすじと豆腐だぞ、

その白い蛇、うまいだろ、
ユキオの最近のクセは目の前のものに蛇を見つけてしまうことだった
カタヤマの影響にちがいなかった
カタヤマはユキオにとっての蛇つかいだった
ひとは誰もがじぶんにとっての蛇つかいを必要としているのではないか

その白い蛇、うまいだろ、よく言うことを聞く蛇だから、おまえのお腹にもちゃんとおさまってゆくだろうよ、
楽しそうにうどんを食べるヨシミにそんなことは言えなかった





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