休日/番田
何も知らなかった
言葉が 空間を
じっと
漂っているのだと
考える 何も知らない
体としての
言葉が流されていく
世界を感じる 海には
奇妙な灯台が
消える 遠くの彼方で
音もないまま
光を感じはじめている
母が 家で編み物をしている
そんな気がした 角を
帰ると この街一番の
通りを戻る 風が吹いているのだ
そこには 手にする言葉の
一つもない 手にするものの
ひとつだ
消滅した 闇の中を
手を振っているのだ
人間を認識する 心が
浮浪者のようだ
居場所を求めず
さまよう
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