残骸/三奈
星屑に夢を抱いた
光り輝くその存在は
とても美しいものに
見えたから
雲に夢を抱いた
自由自在なその存在は
とても優雅なものに
見えたから
星屑と雲と夢
どこか似ているその三つ
あの日ブラックホールのような
この口で
捕まえたゆめだけを
ぱくりと食べた
美しいもの達の残骸は
今日も私を満たしはせず
後悔だけを残していくのでしょう
『遠くにあるものは
いつだって
光り輝いてみえるけど
手にいれたその瞬間
色あせてしまうから』
おなかがすいて
つかまえて
おなかがすいて
またたべて
後ろをふりかえればいつだって
たべたゆめ達の残骸が
何も言わずにこっちを見ている。
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