飴缶ガール/
ゆえづ
した
たどたどしい視線が首筋をまさぐる
どんな風に壊されたい
頭のてっぺんからぶち込んであげる
早く
誰も迎えにこないから大丈夫よ
甘くささやく舌先でさえ
飴玉のように転がしていた安全ピン
いびつな咀嚼音は
耳を撫でる蠱惑的な唄となり
少年の期待と不安の入り混じった表情に
えも言われぬ高揚感が身体中を駆け巡る
ほら 早く
刺さったところで凝固する血は
見事な弧を描き
少女を満足させるだろう
少年はそれを柔い指先でなぞるのだ
安い夢をみたあとで
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