列の向こうで烈しく輝く太陽は決して俺の足下を照らすことが無い/ホロウ・シカエルボク
 




列の向こうで烈しく輝く太陽は決して俺の足下を照らすことが無い
唇にこびりついたフルーツの香り、俺はいつも何かひとつ子供じみた失態を犯してしまっていて
記憶のノートをめくり返すときはいつでも、同じ頁でいたたまれない思いになる
小さな雨が延々と降る木曜日は哲学者がもっとも嫌うだろう袋小路のどん詰まりを想像させる
俺は哲学者じゃない、だけどちょっとしたゲームみたいにそんななりをすることは出来るぜ
嘘をつくことに尤もらしい理由を被せたら芸術って呼ばれかねない
面白がるのは構わないけれど小難しくし始めたら事態は複雑になるんだ
濡れた交差点に立って小さな声でサイモン
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