大蛇と影を重ねて/ポッポ
とヒレンクターに突き刺した。神を刺しては、次はヒレンクター、また神を刺しては、次はヒレンクター。そうして僕は、神とヒレンクターを切り刻みにかかった。
僕は神に抱かれて石になり、ヒレンクターに噛まれてドロドロに溶けていく……。
液体化した僕は床に伸び、依然として争っている神とヒレンクターを見あげ、たずねた。
「オマエたちは、僕の中のナニモノなんだ?」
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あのとき、僕はピアノを弾いていた。閃きが快感を誘い、神経を悦ばせながら。
いったい僕は、なにを求めていたのだろう?
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――あぁ、見ていた寂しさのカタチが、とうとう私に重なっていく。もう、ごまかしが効かなくなる……。
現在の欲望を満たしても、次の場面はごまかせない。
どうやら私は、あなたに叱られるのですね……?
(了)
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