大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
とヒレンクターに突き刺した。神を刺しては、次はヒレンクター、また神を刺しては、次はヒレンクター。そうして僕は、神とヒレンクターを切り刻みにかかった。
 僕は神に抱かれて石になり、ヒレンクターに噛まれてドロドロに溶けていく……。
 液体化した僕は床に伸び、依然として争っている神とヒレンクターを見あげ、たずねた。
「オマエたちは、僕の中のナニモノなんだ?」
 ………………………………………………

 あのとき、僕はピアノを弾いていた。閃きが快感を誘い、神経を悦ばせながら。
 いったい僕は、なにを求めていたのだろう?
 ………………………………………………


     *
 ――あぁ、見ていた寂しさのカタチが、とうとう私に重なっていく。もう、ごまかしが効かなくなる……。
 現在の欲望を満たしても、次の場面はごまかせない。
 
 どうやら私は、あなたに叱られるのですね……?


(了)

戻る   Point(2)