白の部屋/
神門みふい
布越しに
同じように薄い板を鳴らす音がする
けして相容れぬ同じ背徳の音
そう、眠れないね
私は声無く言う
しかしながら
答えは、無い
もしかすれば
あれは小さなボタンでなく
唇の閉じた音かも知れぬ
布隔つ
真白い部屋に軟禁される六人
そう、今蜂起せよ
私は声無く言う
しかしながら
誰も動かぬ
私さえも
仄かな明かりのみの射す
一夜、また一夜
痛みに耐えねば安らぎは無いのである
憎しみに耐えねば愛は無いのである
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