予備校生活/
番田
母の手帳をめくっては
白いページに引かれた座標を見つめる
そこにある数字を
眺めている日曜日に
染み付いた家族を
過去として忘れ
移ろいゆく春に
薔薇のわきたつ香りをかいでいる
新宿の北口を流れ出て
スーツたちにまみれながら
改札に立つヘッドフォンから
ノイズ音楽を流している喫茶店だった
ヌラヌラとなめされたカバーに迷い込む
水色を僕の参考書に撫で
薬を眺める目玉にかすめとる
クリームの白さを半透明にしていく
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