家族の顔の写真/番田
母の声が聞こえてくる
なだらかな通りの上で 小指の先を
色々な流れとしてはにかむ 体のバロメーター
そこにリボンをつけていく
流れる風の 外側へと
弟に会いたいと つぶやいている
水の上に虹が回りつづけた 池に
淀んでは重なった
歩いていく父に
染みついていった ガラスにきしんだ
水色をしたプラスチックの ガラスに中を
重ね合わされたまたたきに
思うことへ とてもしなやかに
「孤独」の中に欠けて まわっていく
出て行く飾りとして 持ち寄りあって
衰えていった まなざしだった
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