空気/真島正人
く
ぼんやりと
色彩は混じって
あるいは
印象派の絵のように
暖かい柔らかいものでもない
ただどこまでも突き抜けるような
広さと深さがある
それでこんなにも気持ちいい
この世界は
美しさの中に
同時に残酷さを孕んでいる
裏返しではなく
同じ場所にあることに
僕は驚いている
まるで
子供みたいに
※
大勢が話すと
それが正しいことに聴こえる
疑問が生まれていても
自分で疑問を殺してしまう
疑問もときには
必要な有機物だけれども
ないと、
スムーズに進む
進んでしまう
空気が
何かを歌っている
歌のタイトルには
緊張を孕んだことが
書き並べられている
あるいはもっとシンプルな
一文字のものだってあるさ
難しい言葉
複雑な言葉
それらを集約して
ひとつになった言葉に
僕は最大限に戸惑う
ふるえてしまう
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