空気/真島正人
 


ぼんやりと

色彩は混じって

あるいは
印象派の絵のように

暖かい柔らかいものでもない

ただどこまでも突き抜けるような

広さと深さがある
それでこんなにも気持ちいい

この世界は
美しさの中に

同時に残酷さを孕んでいる

裏返しではなく
同じ場所にあることに

僕は驚いている
まるで

子供みたいに



大勢が話すと
それが正しいことに聴こえる

疑問が生まれていても
自分で疑問を殺してしまう

疑問もときには
必要な有機物だけれども

ないと、
スムーズに進む

進んでしまう

空気が

何かを歌っている

歌のタイトルには

緊張を孕んだことが

書き並べられている

あるいはもっとシンプルな
一文字のものだってあるさ

難しい言葉

複雑な言葉

それらを集約して

ひとつになった言葉に

僕は最大限に戸惑う

ふるえてしまう


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