そんなことはなにも問題にするべきことじゃない/ホロウ・シカエルボク
ろうと
たとえばそれが成り立った時にどんなものが訪れるのだろうと
なにもわからないのにどうしてぼくらはそれを差し出し続けるのか
なにも出来ないのにどうしてぼくらはそれを追い続けるのか
ぼくはきみに話をする、まるで昨日の新聞について話をするみたいに
途中でどんな障害がそこに差し込まれても
そこそこ納得するまではぼくはきみに話をする
それは聞かれていなくてもかまわないことなんだ
誰も居ない土地にも日は照り
雨は降り、風は吹き、雷は落ちる
ぼくはそんな風にきみに話し続ける
もしかしたらいつか君もそのことに気がつくかもしれない
だけどそれはぼくの話したこととはすこし違っているに違いない
でもそんなことはなにも問題にするべきことじゃない
繋がらない回線を投げ出してはいけない
そこにこそ何かを投げつける意味がある
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