春の迷宮/吉岡ペペロ
 
女の肉が男に汚されていた

肉の汚れを女が悦ぶたび

女のたましいはより美しさを増した

肉が涙をながす

涙の尖りがひかる

男は女の苦悶を見つめた

このカラクリは迷宮だ

いま自分以外

女を汚す存在はなかった

だから

女のたましいは美しいままなのだ

肉の悦びで女が爆ぜた




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