ビー玉/番田 
 
手にビー玉が転がる
赤や黄色をした
玉たちが
爆発する世界に
ビー玉がひとつ転がっていく
赤や黄色をした玉たちと一緒になって
砂やガラスとなって散らばっていく床の上に
真っ黒な石が佇んでいる部屋だった

黒地に白い文字が書いてある
カタカナの色をした言葉だった
カタカナでかすれている
真っ白な文字だった
指でなぞっていくと警備員が楽しい
怖い警棒を振りかざし耳に当たる
防空壕に避難してカンパンをひとつ食べると楽しい
自分すら残さずに立ち去る

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