君のいる風景(2)/まどろむ海月
逆登る小さな歩みを見守る
神の掌
吃立する白い噴煙
高い爆音に思わず振り返ると
木の間から 神の山が臨めた
あの不気味に吹き上がる
噴煙の空間から
降りて来る灰
迷い込んだ小径を登りつめた稜上は
人知れない 神域 だった
尾根の両側は深く海に落ちていく
空間が少し歪んでいた
陸を離れて海の彼方へ
潮風と日のかがやき
そのふしぎな解放感のなかで
僕たちは眠った
海がひびき 鳥が飛び 波が燦めいた
光の中を遠く去りゆく漁船 島影・・
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