気晴らしのための下絵(4 ゛詩人゛/瑠王
 
ある葬儀の前に、
友人と珈琲を飲みに行く。

こんな機会というのもなんだが、
久しぶりの再会で
互いの変わりようについて話をする。

あいつは煙草と一緒にサックスもやめたそうだ。
俺はピアスを外すようになったし、
詩を書くようになった。

すると
゛詩人゛てどう書くか知ってるのか?
なんて言うものだから、
拍子抜けして何も答えずにいると
おもむろに俺のバッグからペンと紙を取り出して
あいつ゛死人゛と書きやがった。

詩人てやつはいつも自分の中で何かを葬るのさ。
と、珈琲にミルクを注ぐ。

なるほどね。
ところで人の香典袋の裏に゛死人゛なんて書いちまうとは、
まぁ、お前の方がよっぽど詩人だよ。





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