ライン/たもつ
 


回ることをやめた
ライン
過程と工程の
限りない
狭間で
先端で

血小板の
ひとつひとつまでもが
記憶している
置き去りにされた
メモ書きの表面がたてる
微かな音を

風に聞きそびれたことのいくつかを
口の中で転がせば
ライン
安い酒の臭いがする海岸に
うちあげられた深海魚の
口から出ている
私の内臓

自動扉が開く
空から落ちる水を
雨、と呼ぶようになってから
何年生きたことか
生乾きのまま
ライン
足跡に消える


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