春/番田 
 
道を森へと歩けば
湖畔に立っているのだと知る
白色を彩った水面を眺めれば
土をゆく石ころでなぞっていく

枝の草葉を歩くほど
母に会おうとする
どこかで思いを抱いた鏡が輝く
手足の指で微かに輝く窓の世界

隙間をのぞくと肌の霞む
妹が風に乗って流れ
今夜も立つドアの窓に
望む世界へ紙飛行機を飛ばす

夜にさまよう学校にいた
池の縁で父に挨拶する
体操服の破けた夜を眠れば
入り混じった春が始まる太陽の彼方を
僕の心に解き放とうとする

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