ヒ、リ/新宮栞
るって意味でズルいのと、アイツの行動に辻褄があってしまうのがズルい。
私は人並みにいい外見にしてるのに、アイツはわざと目の解像度を落としてちゃんと見れないようにしてるし、なのに一緒に他のボードに潜り込んだときはちゃんと見てたし、でも一緒に部屋にいるときは解像度おとしちゃって、なおかつ目をあわせないようにしてて、そういうところが周到で、だから私はアイツが好きになってしまって、それも少しズルいと思う。
「どうしたの?」
「……卑怯さについて考えてた」
「うん」
「うんじゃなくて」
「うん」
「これ見て」
「やだ、必要ない」
「別れる?」
「やだ、必要ない」
というよう
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