ヒ、リ/新宮栞
 
目次みたいな人生が詰まっていて、きつく、とても、それが何重にも重なって数えきれなくて、っていうのが何列にも並んでいて重い。
待ってはいるけど待たされてるわけではないし、たくさんやってきて、たぶん、いる。
なのにまだ待ってるのは、待つことが今できる一番積極的なことだから。
何かを待つんじゃなくて、ただ待っていたいと思う。そうすれば、ずっと待てる。


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「そこに切り花があるでしょ。花瓶に入って、パスタいれるやつなんだけど、そこには違和感感じないでしょ。でも変だと思う。」
「うん」
「変だと思わない?」
「うん」
「でしょ、すごく、それだけこの部屋で生きてるみたいなの
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