香料/たもつ
 
 
 
横隔膜、という膜がある
橋の上を歩いているときに
初めて知った

何かの香料の良い匂いがしていた
早く帰りたかった
知っていることが増えて
もっと上手に嘘がつけると思った

上手でも下手でも
嘘は嘘でしかない
なんて気づかなくても
生きていけるはずだった
  
  
戻る   Point(5)