秩父の三峰神社のとばくちで/白糸雅樹
登山道が神社の参道だった話も、そのおばあさんから聞きました。店を、止めたわけではなく、ただ休んでいるだけで、厠が必要な人が居れば貸し、橋のまわりを掃除して、いわば、お接待の気持ちだけは続けている、という話に、長年参道を守ってきた方の矜持を感じました。
五月には橋の下にある石楠花園がよいですよ、という話を聞いて少し歩いてみました。季節はずれではありましたが、沢山の石楠花が植わっており、季節には夫と訪れたい、と思いました。
なかなか夫と予定が合わず、そこを訪れることができないまま、その店が続いていることを願っていました。
若葉の頃には新緑が、五月には石楠花が、秋には紅
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