秩父の三峰神社のとばくちで/白糸雅樹
に登山道の入り口があるのを見つけて、ずっと登りたいと思っていたのです。何度も運休を繰り返していたロープウェイがとうとう廃止になってまもなくの秋、大輪で降り、ロープウェイの駅に向かう橋で息をのみました。写真がないのが残念ですが、川を渡る橋からの景色はそれはそれは見事な紅葉でした。
登山道を登っていくと、ちょうど半ばのあたりで、桜もみじと楓もみじが散り敷いている地点があります。むかし、山が女人禁制だった頃、そこまでは女性も登れ、そこに昔はあった小屋で、男性の代参者が降りてくるのを待っていたのでしょう。そのような案内が書いてありました。見晴らしもよいのですが、それ以上にその桜と楓が、女人禁制の山
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