「 あの日を 」/椎名
哀しいときに哀しいって言えなくなって
淋しいときに淋しいって言えなくなった
まるで路地裏の捨て猫みたいなあなたとわたし
お互いの傷なめあいながら
ぬくもりだけを信じて寄り添ってきたはずなのに
いつのまにか
あたたかさに慣れて
それぞれの足で歩くようになって
かけがえのないもの
忘れかけてたような気がする
やさしい日差しの中で
肩を寄せ合った影のように
本当はずっといつまでも寄り添っていたいはずなのに
思い出そうよ
出あったあの日
思い出そうよ
震えていたこころ
もっと
もっと素直に
戻る 編 削 Point(1)