「 あの日を 」/椎名
 
哀しいときに哀しいって言えなくなって

淋しいときに淋しいって言えなくなった

まるで路地裏の捨て猫みたいなあなたとわたし

お互いの傷なめあいながら

ぬくもりだけを信じて寄り添ってきたはずなのに



いつのまにか

あたたかさに慣れて

それぞれの足で歩くようになって

かけがえのないもの

忘れかけてたような気がする



やさしい日差しの中で

肩を寄せ合った影のように

本当はずっといつまでも寄り添っていたいはずなのに



思い出そうよ

出あったあの日

思い出そうよ

震えていたこころ



もっと

もっと素直に




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