むずかしい月光/
nm6
歩行者は夜9時を過ぎていく
ぼくの身勝手でやさしさを決め込んだ算数が
ドライな公園でひたすら石を数えるように
きみは月を見た
マイクに空気を
あたたかく篭ったノイズが閉じては枯れ
なぜスピーカーに風は吹かない
さあぼくはうつつを抜かそう
自由は ぼんやりしない
流線型の沿線に縮こまる圧倒を
混ざり果てたやわらかさを剃るように
ぼくらの「どうする?」は今夜にかくれる
たとえばこの表示の下の 赤いテープの枠線の中に
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