はがれた、こえ/祐伸
 
ら、今の生き方は自分にとって一層引き立つかもしれないのに」
「そんな風に想い焦がれたセンテンスを書いて生きているのがお前みたいな奴だよ」
「何とでも言え、失ったものしか思い浮かべられないんだ、一体どうなるんだろう これから」
「俺はもうあとお前の人生の一部を見て死ぬ次第だ」
「 そんなこと いうなよ 」


今年も雪は降らなかったが寒かった
「寒くないのか?」
「それは寒いさ。猫の毛は毛皮だとでも想うか?寧ろ苦痛なのさ」
「家に来るか?暖かいぞ」
「いい。お前はただ此処でまたストレートにボールを投げては漏らしていけばいいんだ」
「命令するな そんなこと」


「何も言
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