はがれた、こえ/祐伸
 

不凍になった雪を顔に押し付ける事を望んだ



いつまでたっても逃れることのない野原を自分の根源として
散々嫌んなった事をボールに握り締めて投げた
ボールは腐った
僕は陳腐だった


「いつまでも見ていたいよ」 この借金は本心であるが未定貸与
君を平行に想えば確かに理解出来たことはたくさんあったはずだ
でも平行線はあれだ
いつまでたっても交わらないから
もうだめだ


この野原には猫が一匹土管の中に住んでいて
まだ僕らはお互いに馴れ合うことも無かったが
ある日


「楽しそうだな」
「…そうか?」
「その嫌な事に少しでも漸近しようとしてるところと
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