写生/番田 
 
誰もいない
夜にライターで 流れる
立ち止まる木に 波が立って
流れる

僕は体だけの存在だろうかと
川を見ていた 僕として
描きたいと 水彩の絵の具を買った
僕は画家だろうと そのとき
考えた 憂鬱の 案山子だった

苦しみが忘れられていく
水にさらさらと さらさらと
さらさらと 流れていた 僕は
あくびをさせられたけれど この人に
恋心を抱いてる気がして何かうれしく
恋心をどこまでも流れていきたい

川がどこまでも続いていく
川がどこまでも続いていく

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