Moon/月乃助
浸かった
想いを消してしまうのです
話をきいてください、
少しづつ ずれていくならもう修復はできないのですね、
別離を埋めますか
チケットを買ったらもう後戻りは許されない
星間連絡ラインは、小熊座の明かり、
ありきたりな そんな光りさえも
まばゆいほどに輝いている
かなたに消えていきます
幻などでない、星雲の塵のなかにうずまく想い
コンパートメントの中でなら忘れられる
愛しさも、期待もなくしながら
だから、どうしたって月の砂に埋めてしまうのです
胸の痛みだけが残ろうとも、さあ
月面到着時間がせまってくる
エクスプレスの光跡は、
どこまでも、はてまでも
輝きながら
尾をひきながら
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