太古の過ち/真島正人
 
てきたのだ。
『あの頃』が
僕の中ではまた
別の姿で心象に現れる
それは幻だが
僕の心そのものだ
父が白黒のフィルムの中でおどけて踊り
僕の視界はカラーの
車内に映る
目前のガラスが雨と霧に濡れている
岩の多いどこかの小道
標識が
道を指している。
僕たちは休憩する。

それにしても時間とは
地球単位のすべて
さらに広いすべて
僕の単位のすべて
すべてそれそのものになる。
いくども
粉々に引き裂かれ
つながり
ウソをつき
そして
僕自身になる。

なんてこった!。


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