海/ミツバチ
両手で涙の濃度を測る
海のように青ければ
静に底に沈めて
波を立てるのは
好ましくないよ
言葉で
自分を繕う度に
命は海のような鼓動を
繰り返す
数えきれない程
子宮の中に注ぎ込んだ
心の奥底の思いは
どれも実を結ぶ事なく
また一人になってしまった
記憶が波にのまれていく
ポケットは
濡れた砂で一杯で
冷えた指先を
温める場所は
何処にも見当たらない
泣かないよ
代わりに空が
泣いてくれるから
ぽっかり開いた
心の穴は
海水で満たされて
僕は滲むように
この世界に溶けていく
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