シコシコ/攝津正
決する……というような事は先週も考えたのであった。だが駄目であった。仕事には行けなかった。だから、今度も仕事に行けるかどうかは分からぬ。また同じ事の繰り返しになるやもしれぬ。だがいいではないか。働ければ金になるし、働けずとも直ちに死ぬ訳ではない。開き直れ、攝津! 生きろ、攝津! 攝津は自分で自分を鼓舞した。そうせずにはいられなかったからである。
一週間、休んでみて、自分の駄目さが底の底迄分かった。だから諦めるべきなのである。何ものかに成ろうなどと思うな。単に生きろ。働け。攝津はそう自分に繰り返し言い聞かせた。〈了〉
二千十年二月二十五日木曜日完結
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