春への扉、遍く/
海里
うちねこよ
うちのネコよ
前足を窓に揃えて後ろ足で立って
さも素敵そうに外を見てる
おまえ
目をきらきらさせて
かわいいふりしたってだめだよ
だいだい君は
部屋飼いじゃないじゃないか
今日だって
草の実だらけになって帰って来たばかり
あなたがいつも出て行く外と
初めて見るような顔で今見てる外と
同じ外だよ
違わないよ
二階から空を飛んでいける猫はいない
もう一度ドアから出て
すちゃらかふにゃにゃにゃと
しっぽいっぽ歩いていきたまえ
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