蟹/番田 
 

インターネットでチケットの予約をすると
やがてキャバレーがあったというボードウォークで、
やってくるネジを待っていると
やがて持ち合わせのリュックをしょって
沖縄に向かう船に乗りながら
ふらついた
ドライバーは速度を落として
そこへ現れた小さなタイヤに横付けしていった
うずまきのような色をした海中を見つめていた


横須賀の東京の会社をリストラされると
押入の中に入った黒いトランクを潰していた
ここで戦った営業マンのことを思い浮かべさせられる
僕は一体なぜこの会社にやってきたのだろう
運命という言葉は
いつも感じてはいない主義だけれど
僕は村上春樹の走り書きを一日中手にした
著者がふいに
ある編集者から聞いた話しをつづったものだった


ルーズソックスは鈍い色をしていて
遠い昔に僕にも未だに忘れられない女子高生がいる
近くに見たことのない
赤色の染みが小さな群れをなして横切っていく

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