『世界の終わりに詩人は笑う』/東雲 李葉
らずに歩み続ける
保障なんてものはどこにも書いていない
どこかの国から大きな爆弾が降ってくるかも知れない
でもそんな時も僕は変わらず唄い続ける
消えゆく命のその横で新しいうたを唄い続ける
そしてこの世が終わった時に
何かを残して消えた人々
大好きな歌や詩を唄いながら
最期まで声を張り上げた人
いつもどおり独りぼっちでいろんなうたを唄っていた
誰も聴いていなくても自分のためだけに唄っていた
幸せな詩人の話を次世代の人々は
笑い話にするのか物語にするのか
今は未だ見当もつかないけれど
ひとつだけ言えることがあるよ
世界の終わりに詩人は笑った
起こるはずのない奇跡を祈りながら
誰かの分までいくつもの願いを乗せて
詩人は言葉を紡ぎ続けた
彼はきっと幸せだった
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