タイムカプセル/窓枠
 
笑む
久しぶりと言わんばかりに対面した
リカちゃん人形は片腕をあげていて
流行遅れな洋服にどこか安心を得た


価値もつけられないビー玉という宝石
生涯を笑いつくした笑い袋
私ではもてあましてしまうような玩具が
ずらり

最後に奥底で眠っていた手紙
お母さんへ宛てられたあたしの手紙
私が読んではいけないよね
と、右ポケットにそっと忍ばせて

左ポケットから取り出す
十年後の私への手紙
と、この詩を詰め込んで
もういちど埋めてあげた

(また十年後)

次は子供も連れて来るからと
永い約束を交わして
お母さんの下へと駆け出す私(と、あたし)


タイムカプセル?
それはね
 未来へ送る宝箱なのだと思うんだ
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