二年間でズタボロになってしまった/真島正人
 
丘の上から
怖いものが追いかけてくる
ここは僕だけの領地
僕だけの国
でも引っ張った線は
ぼんやりとにじんでいる
それでいいんだけど
それでいいんだけど

こんなことにももう疲れたな
僕は蒸気機関車じゃない
ぼぉうぼぉうと
吼えるほどの口もないし
だからくわえた煙草をいつも落としてしまう
煙みたいに自然になりたいかもしれない
いいやなりたくないかもしれない
なったとたんに嫌気がさすことだけは
よくよく
わかっている

こんなところまで
降りてきているものがある
それのことを上手く
名前をつけることができない
何かの動物の毛のように
柔らかくて愛らし
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