孤独な群衆/
青井とり
ひとりぼっちの叫びは
雑音に埋もれて
私は群衆の真ん中で
ただ 立ち尽くすだけ
ホームに溢れるエキストラ
誰も知らない
私は 彼を
彼は 彼女を
彼女は 私を
誰も知らずに
通り過ぎるだけ
喧騒こそ静寂
群衆こそ孤独
ボーダーラインが失われたなら
混沌が甘美な誘惑をちらつかせる
ああ だからこそ
この手だけは離さない
戻る
編
削
Point
(3)