愛されかたの知りかた/愛心
 
気づいたときには 独りぼっちで いつの間にか 慣れていく

優しさだけに引き寄せられて 何も見えなくて五感が鈍る

本物 なんて見分けられずに 指の隙間からこぼれおちる


良い人 悪い人 綺麗な人 醜い人 好きな人 嫌いな人


劣等感の塊が 人波に流されながら ぼそりぼそりと品定め


可愛い顔した男子 背伸びした赤ん坊 ニキビを気にする中学生
女を目で追う親父 奇声をあげる女子高生 今を遮断する青年


イヤフォンから流れる 悪音質のロックナンバーを
人避けのイミテーションにわたしは纏う

怖いのは心の傷跡が疼くから なんて 言い訳混じりに鼻歌を奏でる

わたしの存在価値を知るものは誰もいない

いなくて構わない

それでも生きるわたしは 愛され方を知らない

……知りたくないなんて 言ってない

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