巨人族の朝/岡崎師
机の一番上の引き出しから 幾つかの星を取り出して夜空に貼った。
二番目の引き出しから 三日月を持ってきて3時の位置に張り直した。
引き出しの一番下から太陽を持って来ると 枕元に置いて明日に備えた。
水平線ぎりぎりの太陽と月 ふわりと浮かび 海に溶けるペンダント。
空のいろを塗り替える作業と 雲を送るために白い息を吐き続ける。
雪を降らせるためには 水風呂に入り涙を流さなくちゃいけない。
今日も世界の時計を廻し 幸福なものと 不幸なものを 見詰める。
今日も事件を起こして 喜びと 怒りと 哀しみと 楽しみを生んだ。
ハプニングが起き続ける日常で 二度と同じ事が起らないように調べた。
私のメモ帳に大量に書き付けられたイベントを 明日は誰に与えよう。
明日も白い光を降り注ぎ 薄い闇を張り巡らせ 光と影を教えよう。
戻る 編 削 Point(2)