駆け抜ける彼女/
within
駆け抜ける
暖かな秋から始まった
厳しい冬は
私に新しい孤独を与えた
新しい数式と新しい力学が
終わっていく世界の弔辞をおくり
始まりゆく世界の名付け親となる
ゴールに辿り着いたとき
天に突き立てた
両の拳は
自身が終わったことを告げ
朝、
人差し指の冷たさを
感じ取った親指が
黙って伝えてきた
存在の確かさを
生命をかけて
全身で象徴していた
整わない弾む呼吸で見た
電光掲示板に映る
彼女の記録は24.68ポイント
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