なみだ。/狠志
 
枯れるほど、流した涙。

そのはずなのに、何でまた流れるの。

なみだ。

僕の血や、体液や、その他液体が、

まだまだ、枯らさないって。

文句云ってるのかな。

忘れたと思ってた記憶は。

なんで、こんなに不意に見えるの。

思い出せないだけの記憶は、こびり付いた汚れなんかより。

ずっと、ずっと。

しつこくて、多分、消せなくて。染色体レベルで染み付いてしまってるんだよ。

一秒、一秒の記憶が僕らを造ってるかみたいで、気持ち悪くて。

なみだ。

この涙で、そんな汚れみたいなのを洗い流してくれないか。

なんて都合の良い話しはなくて、

なみだ。

止まって、また泣いた。



戻る   Point(2)