なみだ。/狠志
枯れるほど、流した涙。
そのはずなのに、何でまた流れるの。
なみだ。
僕の血や、体液や、その他液体が、
まだまだ、枯らさないって。
文句云ってるのかな。
忘れたと思ってた記憶は。
なんで、こんなに不意に見えるの。
思い出せないだけの記憶は、こびり付いた汚れなんかより。
ずっと、ずっと。
しつこくて、多分、消せなくて。染色体レベルで染み付いてしまってるんだよ。
一秒、一秒の記憶が僕らを造ってるかみたいで、気持ち悪くて。
なみだ。
この涙で、そんな汚れみたいなのを洗い流してくれないか。
なんて都合の良い話しはなくて、
なみだ。
止まって、また泣いた。
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