はたちの地球儀/りゑ
むかし そんな日があったのは
かすかに覚えてはいる
僕が はたちだった とき
脆くて 儚くて でも 強がっていた
そんな とき
大人に歯向かうこと
大人に楯突くこと
大人にいっぱしの口をきくこと
そんなことが みんな優越感に
そんな他愛もないことが みんな征服感に
つながった つながっていった
その先、先なんか考えずに言えた いられた
でも...
煙りの立ったところに火が立ったとき
あの子が結局自分をひとりの大人としてみていなかったと悟ったとき
そして、そして、出口の見えないトンネルの真ん中で血迷ったとき
僕は畏れた、怖がった、不安を腹に溜め
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