maroo/イシダユーリ
永遠に独白しつづける少年少女の夢
ナイーブであることが夏休みを凍えさせたけれど
薄い氷にとびこんだときに
からだがコバルトいろになったよ
と言った
ぼくのほんとうの髪は
茶色くて
やわらかくて
たくさんで
ふくらんでいて
からまっている
そこには
鳥が住んでいる
生殖できない
二羽の鳥が
住んでいる
羽毛のいろが
毎朝ちがう
しらないひとはちがうことばをはなす
しっていればおなじことばをはなす
おとこのこはおんなになる
おんなのこはおとこになる
ナイーブでいつづけようとする独白を
しらない子たちがはなしている
ナイーブでいつづけようと
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