天使のハイタッチ悪魔のグーパンチ/こめ
 
空想を語りつぎ

今はただ虚無でしかない

物語りはかなりの頻度で

涙をながした

ありとあらゆるもの全てに

意味があるけれど

時代がすすみにつれて

その意味がうすれていく

だから消える前に

記憶の奥の方へ突き落とした

奈落の花はいつでも

卑怯な程に美しさだった

これなら仕方がない

この花を掴みたくて

何人もの愚かな人が

奈落の穴に堕ちていったものか

深夜街をさ迷う勇者は

蛾や虫達が集まる孤立した

街灯のしたで引き裂けるような

愛しみの中を行き来しながら

暗闇の中で理性を保ちながら

街の喧騒に耐えていた

いつまでも変わらないのは

それは完全に僕が一周遅れになっているから

遠い遠い遥か先に待っているのは

一つの揺れる陰それは

天使のハイタッチか

悪魔のグーパンチの

どちらかだった


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